ティツィアーノ(Tiziano Vecellio)の代表作品・経歴・解説

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ウルビーノのヴィーナス

(1538年) 油彩・カンヴァス 119×165cm ウフィツィ美術館/フィレンツェ

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)
1490年頃生 - 1576年8月27日没
イタリア / 盛期ルネサンス(ヴェネツィア派)
  • ヴェネツィア派の巨匠。自由な筆致と美しい色彩が織り成す生命の輝き
  • 経歴:同じく盛期ルネサンスの有名人ダ・ヴィンチミケランジェロといった画家とは異なる魅力で輝き続ける巨匠、ティツィアーノ。当時フィレンツェから伝わった油彩の技法とベネツィア独特の鮮やかな色使いををジョバンニ・ベッリーニから学び、その後ジョルジョーネに弟子入りしやわらかな筆跡で描く画法を学びます。師のジョルジョーネはすでに世間からの注目度が高く将来を期待されていましたが、30歳で夭折すると、その注目はティツィアーノへと移ります。確かな技量を持ち合わせると同時に自己プロデュース力にも優れていた彼は、たちまちヴェネツィア派を代表する画家となり、ローマ教皇ほかあらゆる権力者からの注文が殺到し圧倒的な成功を収めました。
  • 表現:理性的なフィレンツェ、感覚的なヴェネツィアと例えられた両者の表現方法は、前者が輪郭線を生かして薄く絵の具を載せていくことに対し、後者は輪郭線なしで絵の具を自由に載せていくものでした。当時のヴェネツィアは文化が成熟し解放的で享楽的な空気が漂っており、それが、独特の輝く色彩や、伸びやかなタッチ、生き生きとした人間の生命の描写へと繋がっていたと考えられます。理想化されない息づく生の人間としての生命力、空気、官能、なまめかしさが溢れるティツィアーノ作品は、ヴェネツィアを存分に感じ取った画家が、新たに開拓を進めていった表現方法でもあり、今でも輝きを放ち続けているのです。
  • 代表作品・作品解説
  • 【ウルビーノのヴィーナス】

    タイトルのウルビーノとは、ローマの都市の名前で、その統治者からの依頼により制作された女神像です。右に描かれた2人の人物の部分には嫁入り道具の入った箱が描かれたり、ヴィーナスの足元には女性の貞節を表す犬が描かれていることから、結婚祝いのために描かれた絵ということが分かり、ヴィーナスも愛の大切さを説きにきたという理由で描かれているものと思われます。とはいえ女神ヴィーナスを示す象徴物(一般的には鳩や息子キューピッドの姿)は画面には見られない上に、陰部に手を置き官能的な目線を投げかける横たわる裸の女性というなんとも艶かしいその姿は、注文主が私的に楽しむために描かせた裸婦像であったからと考えられています。ちなみに、師のジョルジョーナ作「眠れるヴィーナス」のポーズを模倣して描いた本作は、後に印象派のマネの作品「オランピア」においても影響が見てとれます。。

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