カリエール(Carrière)の代表作品・経歴・解説

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母性

(1895年) 油彩・カンヴァス 51.8 x 67 cm シャルルヴィル・メジエール市立美術館

ウジェーヌ・カリエール(Eugène Carrière)
1849年生-1906没
フランス / 象徴主義
  • 霧の中の画家、カリエール
  • 作風:カリエールが活躍した同時代に台頭していた印象派が外の光へ目を向けたのに対して、彼は心の内へ興味を向けました。「カリエールの霧」と呼ばれている、人物の感情が滲み出てきたかのような、あるいは、人物を取り囲む思考の流れがを描いているかのような、独特の褐色の霧がかったような輪郭線が排除された画面が特徴的です。
  • 親交:彫刻家ロダンと親交が深かったといわれており、ロダンはカリエールのデスマスクをとっています。作品の上でも、二人には類似点があるとされ、例えば、荒削りしかしていないロダンの彫刻と背景の不明瞭なカリエールの人物画は、ともに未完成であるという批判を受けています。同様に、分割、結合、反復、歪曲といった彼らの手法にも類似点が認めらます。
  • 代表作品・作品解説
  • 【母性】

    独特の霧がかった室内でまるでスポットライトがあたるかのように浮かび上がる母親と子どもの姿が描かれています。カリエールは「母性」をテーマとした作品で名高く、この作品においても、母親が深い愛情をもって子どもにキスをしている様子が、慈愛に溢れた静謐な画面として描かれています。

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