ラファエロ(Raffaello)の代表作品・経歴・解説

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小椅子の聖母

(1513-1514年) 油彩・カンヴァス 71cm ピッティ美術館/イタリア

ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi)
1483年4月6日生 - 1520年4月6日没
イタリア / 盛期ルネサンス
  • 美の洗練者・聖母の画家 ラファエロ
  • 位置づけ:ルネサンス3大巨匠として、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロとともに輝かしく美術史に君臨しているラファエロ。ルネサンス期に蓄積されてきた技法や理論を統合し、洗練し、独特の優美な人物像へと昇華した彼こそが、典型的なルネサンスの画家といえるかもしれません。
    同時期に活躍していたダ・ヴィンチのスフマート技法や構図法、ミケランジェロからは動的な人体表現をいち早く学び取り自らの作品に生かしました。
  • 性格:穏やかで温厚な人柄の天才画家は、時の権力者に寵愛を受けます。またかなりの女好きだったともいわれています。栄光に満ちた人生でしたが、わずか37歳でこの世を去りました。
  • 美の教科書:優美な曲線、幸福に満ちた画面、息を呑むほどの写実的表現、など、ラファエロの描く均整・調和のとれた画面は、19世紀まで理想的な美の基準とされ、特に新古典主義の画家アングルの心酔ぶりは有名です。
  • 代表作品・作品解説
  • 【小椅子の聖母】

    聖母子の画家と呼ばれるほど、優美で魅力的な聖母子を得意としていたラファエロ。当時流行だったターバンとショールを身につけこちらに視線を投げかけている世俗的な聖母が特徴的です。丸い画面に描くことで、聖母を形作る曲線の効果がより一層強められています。
    あまりにも生き生きと人物が描かれているため、『路地で仲睦まじい母親と2人の子供を見かけ、思わずかたわらにあったワイン樽の蓋に即興で絵を描いた』という伝説も生まれるほど。
  • 【アテナイの学堂】

    ラファエロの最高傑作とも名高い、古代の賢人や哲学者が描かれた作品。ローマ教皇ユリウス2世の依頼によりヴァティカン宮殿の「署名の間」の4つの壁面に、「神学」「法学」「詩学」、そして「哲学」を主題としたフレスコ画です。 「アテナイの学堂」は「哲学」を表す絵で、画中には60名近い数の哲学者が描かれています。描く際は、同時代の画家をモデルにしたといわれており、例えば、中央で指を上に差している哲学者プラトンはダ・ヴィンチをモデルに、画面手前中央で頬杖をつく哲学者ヘラクレイトスはミケランジェロと考えられています。盛期ルネサンスの古典復興・古典的精神を、約8メートルの画面の中に見事に具現化したものといえます

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    アテナイの学堂
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