ヴェロネーゼ(パオロ・ヴェロネーゼ,Paolo Veronese)の代表作品・経歴・解説

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カナの婚礼

(1562-63年) 油彩・カンヴァス 669×990cm ルーブル美術館/パリ

パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)
1528年生 - 1588年4月19日没
イタリア / ルネサンス・ヴェネツィア派・マニエリスム
  • これぞヴェネツィア派 な画家、ヴェロネーゼ
  • 位置づけ:ジョバンニ・ベッリーニを第1世代、ジョルジョーネティツィアーノを第2世代とするなら、ティントレットと並びヴェネツィア派の第3世代を担ったのがヴェロネーゼといえるでしょう。非常に優れた色彩感覚の持ち主で、フレスコ、油彩ともに幻想的な色使いの装飾的かつ絢爛豪華な絵画作品で知られています。ヴェロネーゼのもっとも有名な作品は劇的で色彩に満ちたマニエリスム様式で描かれた精緻かつ物語性豊かな連作絵画群で、壮重な建築物と壮麗な画面構成が特徴です。本名はパオロ・カリアーリ(カリアリ)ですが、出身地であるヴェローナから「ヴェロネーゼ」として知られるようになりました。
  • 代表作品・作品解説
  • 【カナの婚礼】

    ルーブル美術館で最も大きなサイズの絵画である本作は、当時文化的円熟期を迎えていたヴェネツィアの開放的な風土を象徴するかのような鮮やかで華やかな色彩が特徴的な作品です。新約聖書「ヨハネによる福音書」に記されたキリストの奇跡―キリストがカナ村で婚礼に出席した際、水瓶の水をぶどう酒に変えた―が描かれています。あでやかな色彩の競演が美しい本作の着目点として、画面中央下部にヴェベツィア派を代表する画家達、すなわち、白い服の人物はヴェロネーゼの自画像、赤い服の人物はティツィアーノ、ヴェロネーゼの肩越しに顔を覗かせている緑の服のティントレット、が描かれています。
  • 【レヴィ家の饗宴】

    縦5m超、横12m超という大画面に輝くような色彩で描かれた贅沢な食卓の様子が描かれた作品、もともとは「最後の晩餐」として描かれたものでした。しかしヴェロネーゼは本来の聖書のエピソードとは無関係な道化、小人、犬などのモチーフを用いたことが不信心ではないかとして、ローマ・カトリック教会の異端審問会に召還を受けます。画家はこの時「これは最後の晩餐ではなくレヴィ家の饗宴の様子です」といって見事に切り抜け、教会も聖書の題材ならよいとこれを認めています。
    なお、画面中央やや左の男の衣装にみられる明るい黄緑色は後世「ヴェロネーゼ・グリーン(ヴェロネーゼの緑)」と呼ばれるようになりました。
作品 Pick Up
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レヴィ家の饗宴
(1573年)

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レパントの海戦
(1572年)

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賢明と力の寓意
(1580年)

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キューピッドによって結ばれるマルスとヴィーナス
(1570年代)

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キリストの磔
(1580-88年頃)

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女性の肖像(ラ・ヴェッラ・ナーニ
(1552年)

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レダと白鳥


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ティントレット(Tintoretto,Jacopo Comin)の代表作品・経歴・解説

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最後の晩餐

(1594年) 油彩・カンヴァス 365×568cm 
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会/ヴェネツィア

ティントレット(Tintoretto, 本名:Jacopo Comin)
1518年9月29日生 - 1594年5月31日没
イタリア / 盛期ルネサンス・ヴェネツィア派
  • 強烈な明暗対比と動感あふれる表現で、マニエリスムを先取りした画家
  • 位置づけ:師ティツィアーノとともにルネサンス期のヴェネツィア派を代表する画家です。彼が目指したものは「ティツィアーノの色彩とミケランジェロの素描」だったといわれています。ヴェネツィアの染物屋の息子として生まれたため、「ティントレット(染物屋の息子)」と呼ばれるようになりました。
  • 作風:左右非対称の構図やねじれたようにデフォルメされた身体表現により、画面に動きを作り出しています。速筆で有名で、その筆さばきは「ほうきで掃いたかのような」と評されたほどはっきりしています。
  • 代表作品・作品解説
  • 【最後の晩餐】

    現在もヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の壁面を飾っている『最後の晩餐』。静的に描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」と比べると、ティントレットの特異な構成力が一目瞭然です。この神秘的で劇的な場面を過剰ともいえる程に演出するため、晩餐のテーブルを画面手前から奥へ向かって斜めに配した斬新な構図、舞台照明のような劇的な光の扱い方、現実と幻想の入り混じった描写など、マニエリスムやバロックのような次世代的な表現が見られます。
作品 Pick Up
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キリストの磔刑
(1565年)


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スザンナの水浴(
(1550年代)


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バッカスとアリアドネ
(1576年)


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奴隷の奇跡
(1548年)


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自画像
(1588年)


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天国
(1588年頃)


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ジョルジョーネ(Giorgione)の代表作品・経歴・解説

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眠れるヴィーナス

(1510-11年) 油彩・カンヴァス 108.5×175cm 国立絵画館/ドイツ

ジョルジョーネ(Giorgione)
1477年/1478年頃生 - 1510年没
イタリア / ルネサンス・ヴェネツィア派
  • 謎多き夭折の画家、ヴェネツィア派を発展させたジョルジョーネ
  • 位置づけ:わずか33歳という若さで早世したジョルジョーネ、現存作品数も少ないながらもヴェネツィア派の最も有名な画家のひとりとして君臨しています。同じくヴェネツィア派の巨匠で彼の弟子であったティツィアーノは、ジョルジョーネ亡き後大成しますが。それでもジョルジョーネを超えることはできなかったとも言われています。彼はティツィアーノをはじめセバスティアーノ・デル・ピオンボ、パルマ・イル・ヴェッキオ、ジョヴァンニ・カリアーニなど多数の画家に強い影響を与えました。
  • 作風:デッサン(線)よりも色彩に重点を置きいていたヴェネツィア派のジョルジョーネの色彩は鮮やかにきらめき、そして溶け合うように描かれました。ダ・ヴィンチが発展させた「スフマート技法」(ぼかし技法)を用いて色彩と明暗の織り成す柔らかな光のニュアンスを描き出しました。
    また、風景と人物が一体となった絵画を描いた最初の画家で、宗教、寓意、歴史などの意味を持たない小作品という新しい絵画ジャンルの創始者でもあります。宗教画や神話画を描く際も、その物語や主題を理路整然と伝えるだけでなく、その内面に潜む叙情性を描き出しているため、鑑賞者はまるで音楽を聞くかのような詩情性を感じることができるのです。
  • 代表作品・作品解説
  • 【眠れるヴィーナス】

    ただ一人の裸の女性を主題に選び、かつこれだけの大きさの裸婦画は西洋でも前例がなく、当時のイタリア人版画家ジョヴァンニ・バッティスタ・パルンバの官能性表現とともに、その後数世紀にわたって西洋裸婦画の方向性を決定づけた革命的作品と考えられています。のどかな田園地帯を背景に眠るヴィーナスの姿、自然と女性美を静謐に描き出したジョルジョーネの典型的とも言える作品で、この絵画の構成はアングルやルーベンスなどの後世の画家たちにも影響を与えました。
作品 Pick Up
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テンペスタ
または嵐
(1505-07年頃)

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ユディト
(1504年)

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3人の哲学者
(1507年)

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羊飼いの礼拝
(1505年)

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ラウラ
(1506年)

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カステルフランコ祭壇画
(1503年)


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ティツィアーノ(Tiziano Vecellio)の代表作品・経歴・解説

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ウルビーノのヴィーナス

(1538年) 油彩・カンヴァス 119×165cm ウフィツィ美術館/フィレンツェ

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)
1490年頃生 - 1576年8月27日没
イタリア / 盛期ルネサンス(ヴェネツィア派)
  • ヴェネツィア派の巨匠。自由な筆致と美しい色彩が織り成す生命の輝き
  • 経歴:同じく盛期ルネサンスの有名人ダ・ヴィンチミケランジェロといった画家とは異なる魅力で輝き続ける巨匠、ティツィアーノ。当時フィレンツェから伝わった油彩の技法とベネツィア独特の鮮やかな色使いををジョバンニ・ベッリーニから学び、その後ジョルジョーネに弟子入りしやわらかな筆跡で描く画法を学びます。師のジョルジョーネはすでに世間からの注目度が高く将来を期待されていましたが、30歳で夭折すると、その注目はティツィアーノへと移ります。確かな技量を持ち合わせると同時に自己プロデュース力にも優れていた彼は、たちまちヴェネツィア派を代表する画家となり、ローマ教皇ほかあらゆる権力者からの注文が殺到し圧倒的な成功を収めました。
  • 表現:理性的なフィレンツェ、感覚的なヴェネツィアと例えられた両者の表現方法は、前者が輪郭線を生かして薄く絵の具を載せていくことに対し、後者は輪郭線なしで絵の具を自由に載せていくものでした。当時のヴェネツィアは文化が成熟し解放的で享楽的な空気が漂っており、それが、独特の輝く色彩や、伸びやかなタッチ、生き生きとした人間の生命の描写へと繋がっていたと考えられます。理想化されない息づく生の人間としての生命力、空気、官能、なまめかしさが溢れるティツィアーノ作品は、ヴェネツィアを存分に感じ取った画家が、新たに開拓を進めていった表現方法でもあり、今でも輝きを放ち続けているのです。
  • 代表作品・作品解説
  • 【ウルビーノのヴィーナス】

    タイトルのウルビーノとは、ローマの都市の名前で、その統治者からの依頼により制作された女神像です。右に描かれた2人の人物の部分には嫁入り道具の入った箱が描かれたり、ヴィーナスの足元には女性の貞節を表す犬が描かれていることから、結婚祝いのために描かれた絵ということが分かり、ヴィーナスも愛の大切さを説きにきたという理由で描かれているものと思われます。とはいえ女神ヴィーナスを示す象徴物(一般的には鳩や息子キューピッドの姿)は画面には見られない上に、陰部に手を置き官能的な目線を投げかける横たわる裸の女性というなんとも艶かしいその姿は、注文主が私的に楽しむために描かせた裸婦像であったからと考えられています。ちなみに、師のジョルジョーナ作「眠れるヴィーナス」のポーズを模倣して描いた本作は、後に印象派のマネの作品「オランピア」においても影響が見てとれます。。

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  • 作品 Pick Up
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    聖母被昇天
    (1516-18年)

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    田園の奏楽
    (1510-11年)

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    バッカスとアリアドネ
    (1520-23年)

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    自画像
    (1562年)

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    ルドヴィーコ・アリオストの肖像(自画像の説もあり)
    (■制作年)

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    ヴィーナスとアドニス
    (1554年)

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    フローラ
    (1516-18年)

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    ディアナとアクタイオン
    (1556-59年)


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    ミケランジェロ(Michelangelo)の代表作品・経歴・解説

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    アダムの創造(システィーナ礼拝堂天井画)

    (1510年) フレスコ 280×1570cm ヴァティカン宮殿/イタリア

    ミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni)
    1475年3月6日生 - 1564年2月18日没
    イタリア / 盛期ルネサンス
    • 力強い肉体に感情を表現した「神のごとき人」ミケランジェロ
    • 位置づけ:レオナルド・ダ・ヴィンチラファエロとともにルネサンス3大巨匠に名を連ねる、ルネサンスを代表する画家ミケランジェロ。彼は自らを画家ではなく「彫刻家」と自負していました。彫刻家ミケランジェロの絵画は量感溢れる肉体が特徴的で、それは後に続くバロック美術への橋渡しともいわれています。
    • システィーナ礼拝堂:システィーナ礼拝堂は、ミケランジェロの画業最大の功績でもあり、永遠に美術史上に輝き続ける傑作です。はじめこの依頼を受けた際は「自分は彫刻家だ」と突っぱねますが最終的には根負けし、約800平方メートルに及ぶ広大な天井を、ほどひとりで4年の歳月を使って制作しました。特に有名な図像は天井画の「アダムの創造」や、正面壁画の「最後の審判」など。
    • 代表作品・作品解説
    • 【アダムの創造】

      世界絵画史上、もっともよく知られたイメージの1つである、神がアダムに向かって手を差し伸べる場面。はち切れんばかりの瑞々しい肉体を持ったアダムが、今この瞬間神と手を触れようとしています。指と指のわずかな隙間にドラマが宿り、観る者は、聖書に描かれた世界に立ち会っているような臨場感を覚えるのです。
    • 【最後の審判】

      システィーナ礼拝堂天井画が完成した約25年後、正面の壁画の制作にも着手し、「最後の審判」を描きます。中央では再臨したイエス・キリストが死者に裁きを下しており、向かって左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写され、全部で400名以上の人物が描かれています。

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    最後の審判
    (システィーナ礼拝堂壁画)
    (1535-41年)

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    原罪と楽園追放
    (システィーナ礼拝堂天井画)
    (1510年)

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    リビアの巫女
    (システィーナ礼拝堂天井画)
    (1511-12年)

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    イニュード
    (システィーナ礼拝堂天井画)
    (1509年)

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    システィーナ礼拝堂天井画
    (1508-12年)

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    ドーニ家の聖家族
    (1503-04年)


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